「経営・管理」資格の規制強化に思う
昨年秋以降、我々行政書士の主要業務と言える入管行政が、急激に厳格化、規制強化のフェイズに入り始めています。
まずは、昨年10月から実施された「経営・管理」資格の規制強化です。法律ではなく入管省令の改正ですが、一番大きな変更点は、資本金、出資金がそれまでの「500万円」から「3000万円」に引き上げられたことです。
今、ある中国人経営者の方の「経営・管理」の在留期間更新申請を行っている最中ですが、この資本金の部分は早速引上げに対応、その他常勤職員の日本語能力、法人税、法人住民税などのすべての納税証明書、社会保険、労働保険の納付状況等これまで更新時には不要であった書類の追加があり、以前の申請書類の数倍以上が必要となっています。
その中には、法人市民税の未納を証明する書類があり、来年8月で丸30年となる行政書士業務歴で初めて取得した書類です。驚いています。珍しい書類です。
この入管行政は、1978年10月4日の最高裁大法廷判決マクリーン事件の次の次の部分が根幹となっています。曰く「国際慣習法上、国家は外国人を自国内に受け入れるかどうか、また、これを受け入れる場合にいかなる条件を付するかを、当該国家が自由に決定することができる」、つまり法務大臣の自由裁量が原則であるという考え方です。従って、同判決は「わが国に在留する外国人は、憲法上わが国に在留する権利ないし引き続き在留することを要求する権利を保障されているものではな」いとします。
「国際慣習法上」、つまり日本だけではなく、他の国でも外国人を受け入れるかどうかは、国家の考え方次第ということになります。すなわち、外国人政策はその時々の政府の姿勢次第なのです。
政府を選ぶのは、憲法上国会議員、つまりひいては我々国民なのです。それは、外国人政策に限りません。どれだけ税金を支払うのか、その税金をどれだけ、どのようなことに使うのか等々、すべて出発点は結局国民一人一人の意志なのですね。
我々行政書士は、国会議員や政府が定めた法律や制度の許可、認可などの手続きのほんの一部をお手伝いしているに過ぎません。つまり決められた制度の中での行動に過ぎません。限界があります。
今回の「経営・管理」資格の規制強化について、その根幹はやはり我々国民が日々どのように様々な課題について問題意識を持って接するか。イエス、ノーをはっきりと意志表示することが本当に大切だと感じています。








