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「永住権緩和で人材誘致」(4月16日付日経)

政府は、外国人経営者や研究者などを対象に永住権を取得しやすくする方針を、19日開催の産業競争力会議で「高度人材の永住権付与の迅速化」として打ち出すようです(日経4月16日)

この記事によると、緩和の対象は、「高度専門職」の在留資格を保有する「高度人材」と呼ばれる人たちに対してであり、2015年末時点で1508人が取得しています。
 現在は、この人たちに対しては、通常「永住者」の在留資格取得に要求される「10年以上」の在留期間を「5年以上」に緩和していますが、更にこれを「3年以上」に緩和しようというものです。これにより、日本で研究者、専門知識を持つ技術者、経営者などの「『高度人材』が日本で就労しやすい環境を整えて、日本経済の成長力を押し上げたい考え」(日経4月16日)だと、記事は述べています。

 当法人が現在入管業務で取り扱う在留資格で多いのは「技術・人文知識・国際業務」「技能実習」「特定活動」(インターンシップ)などです。この記事にある「永住者」在留資格の申請は、当法人でも割合的には少ないのが現状です。典型的なケースとしては、中国人の方で、留学生として日本の大学を卒業し、その後中国や台湾と取引のある企業に就職、翻訳・通訳業務を5年以上経験し、トータルで10年以上の在留期間がカウント出来た時点で、「技術・人文知識・国際業務」という就労ビザ資格から「永住者」への在留資格変更という手続を行います。仮に18歳で来日したとして、この方が日本「永住者」資格を取得出来るのは、30歳前になります。

 また、当然この「永住者」の在留資格はハードルが高く、「身元保証人」が必要で、この「身元保証人」の所得を証明する「納税証明書」などが必要です。当法人が扱ったケースで多いのが勤務先の社長や上司が「身元保証人」になるケースですが、すでにご本人が会社を経営しているケースではこの「身元保証人」がかえって見つけにくく、ご本人が取引先の社長にお願いしたケースもあります。

 今回の緩和措置は、いわゆる「高度専門職」の在留資格を有する人たちの在留期間の部分であり、その他の要件は現在と同じで、この措置で「永住者」への在留資格変更希望者増えるのかは、不透明かもしれません。

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