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賛同する必要はないが、権利はある

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 ここ数年間定期購読している「CNN ENGLISH EXPRESS」という雑誌の8月号に、感動する言葉を見つけました。それはCNNでも有名な「Amanpour」という番組での、民主党上院議員のバーニー・サンダース氏の5月2日の次の発言です。

Being a free country means that [if] somebody goes out
and demonstrates, you don’t have to agree with them, [but]
they have the right. That’s the difference between autocracy and
dictatorship, and a free country.(同書P130)

自由な国であるということは、もし誰かが街頭に出て行って抗議するならば、あなたはその人に賛同する必要はないが、その人にはその権利がある、ということです。それが、専制や独裁と、自由な国との違いなのです。(上記訳、同書P131)

 これは、イスラエルによるガザ攻撃に抗議した、アメリカのコロンビア大、UCLA大など全米各地の学生が大学を占拠する活動、デモを行ったことに関して、アマンポール氏がサンダース氏の見解などをインタビューした中での発言です。

 自らも学生時代公民権運動に参加し、逮捕された経験もあることを語り、なぜ学生が立ち上がったのか、その理由を考え、支持すると述べています。しかもサンダース氏はユダヤ系なのです。 

 私が感動したのは、特に上記発言の次の部分です。

 you don’t have to agree with them, [but]they have the right.
(あなたはその人に賛同する必要はないが、その人にはその権利がある)

 つまり、ある発言、ある抗議行動について、自分がそれに賛同するかどうかともかく、まず認めなければならない、という発想です。

 私は、第2次大戦後現在まで、アメリカがベトナム戦争を始め、9.11テロに端を発したイラク、アフガニスタンへの攻撃介入、またイスラエル重視の中東政治を展開してきたこと等、およそきれいごととしての「民主政治」とは真逆な政策を実行してきたと考えています。つまり、力による支配、武力による支配です。

 しかし、その一方でアメリカでは、サンダース氏のような政治家がおり、ストレートに学生デモを支持すると発言できる、ダイナミズムを持っているのですね。誰かに気兼ねをするということなく。

 「自由=Freedom」の意味を考えさせられる、感動する言葉です。

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