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よその国の政治のお話

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 自分のことはよくわからないけど、他人のことはよくわかるということがあります。政治のこともそうです。日本の政治はよく理解できないが、よその国の政治は、その本質までよくわかることがあります。

 アメリカのトランプ大統領に対し、ついに下院(congress)が弾劾(impeach)決議案を可決しました。ウクライナのゼレンスキー大統領に対し、軍事支援を行う「見返り(quid pro quo)」に、2020年の大統領選の有力候補バイデン氏、息子に関する不正調査を要求したことが、「権力濫用(abuse of power)」、議会からの調査拒否が「議会妨害(obstruction of congress)」にあたるという容疑です。

 10月頃からは、私が見ているCNNでは、ほとんどがこのニュースで持ちきりで、議会の証人尋問では通常番組を中止し、数時間にわたる生中継もありました。どこかの国の証人喚問とは異なり、証言拒否などもほとんどなく、当初トランプ派とみられていた証人のソンドランド駐EU大使の「見返り」を認める証言などが契機となり、下院の女性議長ペロシ氏の弾劾決断につながりました。

 CNNを見ていると、トランプ対ペロシの政治姿勢の対立が強調されたりもしていますが、CNNの調査でも、この弾劾調査が始まった時点から、トランプ大統領は辞めるべきだという国内世論は増えていないようです。上院(senate)では、共和党が多数を占めているため、このまま手続きを進めても、無罪となる可能性が高いとみられています。

 2016年のトランプ大統領誕生以降、CNNを見ると、毎日がトランプ氏の話題で、トランプ支持派(共和 Republican)対反トランプ(民主 Democrat)で、まさにアメリカは分断されたような状況です。

 ただ、よその国のことだから無責任に言えるのですが、このまま民主党がこの弾劾手続きに固執するようでは、来年の2020年の大統領選挙には勝てないような気がします。現に「Bloomberg」(写真)紙も書くように、トランプ氏はこの弾劾を「かすり傷」程度にしか思っておらず、支持者の集会で「何も悪いことはしていない(did nothing wrong) 」「魔女狩り(witch hunt) 」「議会の権力濫用」などとやり返し、あたかも被害者のような演説を行っているからです。

 まさにトランプ氏を上回るような強烈なキャラクターの持ち主が民主党の大統領候補に出てこなければ、こうしたトランプ攻撃をしても結局更に4年トランプ氏が大統領に居座るような気がします。最近民主党から立候補表明した、写真の新聞のオーナー「Bloomberg」氏が有力な候補となるのでしょうか。

 いずれにしても、就任以来数々のバッシングの嵐がありながら、来年の大統領選でトランプ氏が再選されるのか、本当にアメリカ国民の政治判断に興味が尽きません。

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